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空比が35のピラタスB4でも、車輪を出した状態だとL/Dがわるくなりそのうえ、最良滑空比の滑空速度よりもやや大きくなるため、1/4 の目安で充分である。ブラニックL013で初単の場合には、b点ではフラップを使用しないで、1/4の目安で練習させれば、なお安全である。
b点の高度
以上のように、b点を通過するときの高度によって、基本的には全体のコースが相似型になる。その要所要所で同じ基準による目安で飛行すれば、どれも同じように安全に着陸できる。したがって、相似型のコースが大きくなれば、それぞれの1辺のコースに対しての飛行時間は長くなり、パイロットにとって、精神的な余裕を持つことができる。この余裕で、目安による高低を早目に調整すれば、安全性も高まることになる。指導する側にとっても、ゆとりある気楽さで注意し、なっとくのいくように説明することができる。このように、最初のうちはコースを大きめにし、余裕の出てきたところで、徐々に低目の高度に移行する。
モーターグライダーを使ったときは、1辺の長さを充分に大きくとって、練習生の技両の上達と余裕を見ながら。しだいに小さくしていき、グライダー向きの場周コースの大きさに移行することがたいせつである。
旋回の位置とバンク
c点およびd点は、b点を通過して、着陸方向に平行して反対方向に飛行するうちに、着陸地点後方45°に見える空域に達したとき、90°の旋回を行う。このときのバンクは、15〜30°程度の安全な旋回を行うので、b点の高度が低めのときは、30°よりもやや大きくなる。高度100m以下のときは40°程度になり、その反対に高度が高めのときには、15°程度にしたほうがよい。基本的には、全体の航跡が相似型になるのが、もっとも理想的である。しかし、高度に関係なく、同じバンクの旋回を行っても、数メートル程度の誤差なので、最後のアプローチのときに、それを考えて修正すれば、問題はない。以上の関係を、1分間に15°バンク、あるいは30秒で30°バンクという2種の旋回を行って、その経路を2−74図に記した。

 

 

 

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